明治元年、函館・五稜郭で土方歳三が墜ちて、27年。シャルル・グノーのオペラ「ファウスト」が上演された。日本人による日本最初のオペラ上演は明治36年(1903年)7月23日、グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」。古事記のイザナミがイザナギに会いに行く黄泉の国道行を思い出させるストーリーだ。日本人歌手らにとって演技・理解しやすかったろう。翌年、5月28日には日本人作曲家のオペラ第一号。「露営の夢」が北村季晴の作曲で初演されている。七代松本幸四郎による歌舞伎として披露されたものだった。日本コロムビアの佐々紅華の肝いりで「東京歌劇座」が興され、1917年10月23日に浅草オペラの時代の扉が開く。開闢維新から50年で西欧オペラの400年間を丸ごと飲み込んだことになる。イタリアオペラの歌中心より、朗誦に近いドイツオペラ、そして芝居のやり取りが多いオペレッタが受け入れやすかったのは、浄瑠璃が日本の音楽劇として最高演劇だったからに違いない。
4/18 (Fri)
Today’s Topics
オーストリアの作曲家、フランツ・フォン・スッペが生まれた日(1819年)。時代はウィーンでオペレッタ(音楽劇。オペラよりもセリフが多く内容も喜劇的でコミカルなものが多い。)が流行り始めていた。スッペは喜歌劇《天国と地獄》のジャック・オッフェンバックや、喜歌劇《こうもり》のヨハン・シュトラウス二世らと共に、オペレッタの黄金時代を築いた。現在でも喜歌劇《軽騎兵》の序曲は演奏会やBGMなど様々な場面で用いられている。
Franz von Suppè
4 Ouvertures
– Poet and Peasant
– The Beautiful Galatea
– Light Cavalry
– The Queen of Spades
Detroit Symphony Orchestra – Paul Paray, cond.
